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2006年08月28日

7月13日 風雅がくれた自信

過去記事ですが、、



早朝のマリーナには、風の音だけが鳴り響き、桟橋に揺れる風雅だけが僕を迎えた。
集合時間は午前6時。まだ時間は30分ある。昨日船を降ろしにきて船内のチェック、道具の確認をしたが、もう一度調べる。今年初めてのトローリング。いや本格的にトローリング釣行するのはこれが初めてである。道具は1年前からも持っていたのだが、
話は一ヶ月前にさかのぼる。九州で最大の(沖縄は覗く)トローリング倶楽部を作る。という触れ込みで何故か僕にも声がかかった。風雅にはアウトリガーはあるものの一度もまともに開いた事がない僕にだ。躊躇はした。でも好奇心には勝てない。玄界灘でブルーマリーンをこの手で釣り上げてみたい。何か今までの釣りに無い物も感じてみたい。
その艤装は風雅にはあるのだ。その性能をフルに使ってやりたい。愛情を持って。
心は決まった。僕は発起会となるその会場の末席にいた。自己紹介を聞いているとファーストマリーンを揚げていない艇も何艇かいる様である。少し安心。これから始める人もいるようである。急に皆さんとうち解けることが出来た。クラブ名称は“九州フィッシャーマンズクラブ”。総勢15艇、全ての船が風雅よりも大きい。でもポイントまで行くことが出来たらキャリアの違いはあるにしても同じ土俵に立てるんじゃないか、、同じスタート位置に立てれば、、、、、
7月13日、記念すべき九州フィッシャーマンズクラブ第一回月例会である。
桟橋を渡る音が聞こえ、振り返ると今日のメンバー二人がこちらにやってくる。
二人ともトローリング初体験である。前日僕の知り得る限りの情報をレクチャーしたつもりだが(僕自身、あまり自信がない)、、、
二人の顔は一目で上気していると解る。僕と気持ちは一緒なのだ。最初から僕の頭の中では分担は決まっていた。アングラーはMさん、取り込み、ギャフマンはK君。僕はキャプテンとして事故の無いようサポート役に回ろうと。
 マリノアに集合してオブザーバーであるYさんに乗ってもらう。彼がこのクラブの火付け役の一人であり、僕をその気にさせた人である。ポイントまでの操舵は彼に頼んだ。
マリノアの桟橋を見ると大型のクルーザーばかり、風雅がすこし恥ずかしそうに僕を見ている。今から一緒に行くよ。この波と風なら片道3時間はかかるかも知れない、一緒に行こう。
玄海島を越えたあたりから風強く波も上がりだした。20ノット以上は出せない。横波に時折煽られながら進む。小呂の島が右手に波により見えては消える。それでも風雅の保身性能は崩れない。波2,5mはあるだろう。壱岐東沖まで到達するのに2時間かかった。
あと七里までにはどう考えても1時間以上はかかるだろう。9時のスタートフィッシングには間に合わない。最短で勝本港を通過する考えもあったが今日は大潮の初日。流れが早すぎるし、風と波にもろに風雅の横腹を見せてしまうことになるので大きく外を回る。
9時40分過ぎ七里ポイント一海里手前からルアー流し始める。ロッドは2本(共に80LB)。もしそれ以上出したとしてもこの波と風に翻弄されて釣りにはならないだろう。
それぞれ30mと40mに流す。ルアーが30mでは3秒沈んで一瞬顔を見せる。40mでは4秒近く沈んで一瞬顔を見せる。荒ぶる波に動ずることもなく独自のリズムを刻んで。あ~この光景をみたかった。そのためにここまできた。釣れればもっと嬉しいだろう。でもその前にこの光景がみたかった。風雅からルアーが出されている。
ロールコールが次々かかる。他の艇にはシイラが揚がっているようだ。またこの波浪で島影に避難する艇も出てきた。ポイントについて一時間少々である。
またこの頃から、波風だけでなく大粒の雨が横殴りで降り始めた。短時間でずぶ濡れになる。そんな中ルアーを七里ヶ曽根100mラインで流す。風雨の中、僕は立ちっぱなしでルアーを見つめていた。来い!喰らいつけ!
すでにK君はキャビンで寝込んでしまっていた。操舵もままならない。
2回目のロールコール。ストップフィッシング、安全を考えて全艇撤収決定。
残念だけどルアーを回収し、全員キャビンに潜り込む。濡れた服を着替えMさんはソファーにへたりこむ。
風雅は踵を返して壱岐勝本沖方面へ変針。今度は追い波で速度があまり安定しないが、往路よりは若干早く進んでいる。玄海島沖迄に2時間。沈黙が続いた。湾内に入って波も収まりマリノアに着岸。往復5時間30分の行程だった。六艇参加でシイラが6本。全艇無事の挨拶を終え、風雅はゆっくりと対岸のホームポートへ。今回の航海で、自然と風雅から沢山の事を教わった。それがこれからの僕の自信になっていくことだろう。ありがとう
 翌々日、午後から晴れたのでマリーナに出かけルアーとロッドを洗い、
キャビン内の窓を開け 風を通した。

  


Posted by makkun at 11:14Comments(0)トローリング